最近ADLPの構成案をチェックしているのでADLP関連の話が増えていますが、部下との会話で面白い質問をもらったので、今日はその話をします。部下はLPの構成案をずーっとチェックしていたのですが、どうにも節目節目で「まずは、資料をダウンロード!」みたいに繰り返されることに違和感を感じたらしく、こう聞いてきました。
「この文章(まずは、資料をダウンロード!)って、シツコイくらい何度も出てきますけど、本当にこれで良いのでしょうか? 違うことを書いても良いと思うのですが」
なるほどなあ、とフラットな意見だったので感心したのですが、とりあえずひとしきり理由を考えてもらいつつある程度のところで種明かしをしました。
「あのさ。ジャパネットた●たの通販番組構成ってどうなっていると思う?」
「へ?」
「いや、じゃあテレビ通販番組ならなんでも良いんだけどさ」
▼番組例
「この包丁がはすごい!ダイヤモンドで研磨されているんです!」
「今なら7,800円! 今すぐお電話を!」
「トマトを切っても崩れない!これがダイヤモンドパワーです!」
「今なら7,800円! 今すぐお電話を!」
奥様の声「本当にすごい。とってもよく切れるの!」
※体験談なので個人差があります
「今なら7,800円! 今すぐお電話を!」
「なんと、今から30分だけ! もう1本ついちゃいます!」
「今なら7,800円! 今すぐ(略)」
とまあ、繰り返し何度もメッセージを送り続けるわけです。
でも大事なのは、そっちじゃなくて、その前段が「7,800円が妥当であること」を裏付けるために手を替え品を替えアピールを続けていることなんですね。それを繰り返す事で、読み手にとって「7,800円って安いかも。電話してみようかな」と、意識を変えていくわけです。だから、キメのメッセージは変えてはいけません。
もし、変えたらどうなるか?ちょっと極端な例を出してみます。
「この包丁がはすごい!ダイヤモンドで研磨されているんです!」
「今なら7,800円! 今すぐお電話を!」
「トマトを切っても崩れない!これがダイヤモンドパワーです!」
「詳しくはホームページでもご確認いただけます!」
奥様の声「本当にすごい。とってもよく切れるの!」
※体験談なので個人差があります
「全国の百貨店でもご購入いただけます!」
「なんと、今から30分だけ! もう1本ついちゃいます!」
「ダイヤモンド包丁をよろしくお願いします!」
実際にこんな展開ったら1回目は僕は笑いますが(笑)ここまで来ると、そもそも同じ商品に見えませんし興味は湧くかもしれないけど「今すぐ買おう!」という気持ちは起きない。これは失敗です。なぜか?
この番組にとって「本当に大事なこと」は「今すぐ買ってもらうこと」だからです。なのに、完全に機会損失をしている。
意図的に繰り返す事というのは、与えられたワンチャンスで決めてさせるためには非常に重要なメッセージ訴求方法なんですね。
ですから、作りの良いADLPは冷静に読み進めると、まるで「テレビの通販番組」を見ているような展開になっています。まずもって、お客様を迷わせません。手を替え品を替え、商品のメリットや関連するキャンペーンを出しながら「今すぐ資料請求!」に持って行こうとする。ユーザーは読み進めるうちに、納得(商品理解)度を深めて、狙ったゴール(ここでは資料請求ボタン)に手を伸ばすわけです。
結局、この「手を替え品を替え」というのを、いかに読み手にとって自然に魅せていくか?がADLPの「魅せどころ」とも言えます。
特にWebの場合、クリックしたら戻る確率は極端に落ちますから、どうやったって「ゴールは1つ」の方が読み手は迷わない訳です。ぜひ、今度ADLPを踏んだ時はそういう視点で読み込んで見てください。マーケターの意図を読み解けるような、面白い発見があるかもしれませんよ。
