某社の顧問として数か月。
ある施策を当て、CV数が前年・前月比を圧倒的にぶち抜きました(やったー)。
前年比〇〇倍!って奴ですね。
現場は勢いづいていました。それは本当にうれしい。
で、ですね。
そのタイミングで「どころで、市場で見たときにどうなっているの?」と振り返りの質問をぶつけたところ……、
「シジョウデミタトキ?」
と、顔をキラキラさせながら「なにそれ美味しいのですか?」くらいのリアクションが戻ってきたので、
「そうだなぁ、おじさん、そこから話した方が良いよなあ……」と遠い目をしました(笑)
今日はそんなお話です。
▼前年比〇〇%話は、正直、眉つばな理由
世の中のセミナーだのなんだのって言うのは、結構この「前年比〇〇%」って言うキャッチフレーズが多くて、書くいう私もプロフィールでその手の事を書いています。耳障りがいいですからね(笑)
ただですね。これ、騙されちゃいけないのが「視座」の観点です。
前年比〇〇%達成!という事実だけで浮かれていいのは、せいぜい主任~課長クラスまでです。実は、本当は重要な「前提条件」っていうものがあるんですね。
それが何かと言うと「市場レベル」の視座です。
マーケティングをやると、結構最初の方に「市場」の話って出てくるのですが、現場担当者はどうしても「目の前の数字=KPI」を追いかけるから、この「市場」のラインまで目線がいっていません。
でもねえ。それは損をしているかも知れないんですよ。
(あるいは他人を知らず知らずのうちに騙しているか)
なに、簡単な算数です。
たとえば、あなたがプロモーションを頑張って「前年比130%」を作ったとします。なんか凄いですよね。ここだけ切り出して話をする人は(世の中に)本当に多い。
なんだか、すごく見えるんですよね。
狙ってやっているのか、そこまでしか見えていないのかは別として、これを「俺の実力だぜ」とか勘違い転職とかをしてしまうと、奈落に真っ逆さまです。
たとえばね。
もしも、あなたの担当製品の市場「成長率」が200%あったとしましょう。
市場の「シェア」とかを見ても良いです。で、周りの企業が200%伸ばしているとして、あなたの会社が130%「しか」伸ばしていなかったらこれは「完全にアウト」ですよね?
それってたとえば、「俺の会社の給料、昨年比で1万円もあがったー!」って叫んでいたら、業界的な給与の上昇の平均値が「5万円」だった…みたいな悲(喜)劇です。
※ちなみに、僕のプロフィールに出ている前年比270%は市場成長率104~109%の世界でやっているので、これは胸を張りますヨ(えっへん)(笑)
同様に「市場規模」とかもあります。市場成長率が一定停滞のラインに差し掛かっていて、市場のシェアを自社だけがけん引している状況とかは、自社自ら「市場規模を広げに行くアクション」とかが必要だったりします。
実は、マーケティングマネージャーの領域まで上がっていくと、この「市場規模におけるシェア」と「市場成長率」を勘案しながら、予算策定に当たることが求められます。
証券アナリストみたいに「会社と市場の未来」を予測するんですよ。
それで「企業の成長に必要な予算」を会社から引っ張り出すんです。
で、キチンと投資対効果を合わせて「利益」で返してあげる。
これがマネージャーの醍醐味。本当にやりがいがある仕事です。
そして、経営者がマーケ部長以上に求めている「目線」がココです。
だから、結果を出しているマーケティングマネージャーにとって、マーケ予算って「命」なんですよ。
だって、そこで予算の承認が下りるって事は「信頼の証」ですからね。
ただ……逆もしかり。
ロクな説明責任も果たされないまま、予算が大幅カットになるのは「事実上の戦力外通告」に等しい(無論、それを求められる局面もありますけどね)。
要は(最後は)「腹落ち」の問題です(笑)
ただ、根本的にマーケターなんて、基本的に予算持ってナンボです。
お金が無い時から「仕組み」と「工夫」で数字を積み上げて。その実績を認められて「予算」を与えられる。予算があるからこそ色々展開できるようになる。
「予算」が増えると「責任」が増えます。
「責任」が増えると「覚悟」が求められます。
「覚悟」があると、経験が「自分ごと」になります。
「自分ごと化」した経験は、「成長」を生みます。
とまあ、こういう理屈です。
正直、数億円のプロモーションとか、開始初日から数字と睨めっこですよ(笑)
「全然数字いかなかったらどうしよう! ジャパニーズハラキリですか!?」みたいな、胃薬が欠かせない奴(笑)
ただ、そういう経験だからこそ成長の幅がデカいんです。
だからこそ、この「視座」の観点は、マネージャーを目指す多くのマーケターに持ってほしいスキルですし、それ武器にして、どんどん予算を取りに行ってほしい。
この手のスキルは、「見えにくい」類のものなのですが、実はすごく大事なスキルです。
いま、課長クラスの人たちは、名実ともに「マーケティングマネージャー」になるために、まずはこの「視座」を、常日頃から意識してほしいところです。
