そもそも、私のお客様は仕事に熱心な方が多く、具体的には、東証上場企業の代表取締役や執行役員クラスの方をはじめ、キャリアを重ねたいマーケティング責任者や、営業部長などの他の要職の方などが該当します。彼らは、「自社のマーケティングを推進したい」と、わざわざお忙しい中、多くの時間を割いて、私のコンサルティングに足を運んでくださいます。
そういった方々の多くはプロジェクトを推進するために時に黒子となり、社内調整や推進を必死に行い、着々と所属する企業の「業績」を積み上げていきます。
ある方が宴席で部下の方に仰っていた言葉が印象的なのですが
「言葉は悪いが、リッキーさんは使えるだけ、使い倒したほうが良い」
という言葉があったのですが、これには私も大賛成で、私がその組織に所属していれば「出世のライバル」等にもなりえるのですが、私はしょせん外部の「捨て駒」にすらなる人間なので、お互いの了解のうえで「上手く使って頂けれ」ば、それは、契約者様のキャリア形成・業績寄与における「最良の選択肢の一つ」にしかならないと、素直に思います。
なお、そういった要職にいらっしゃる方々に共通することは2つあり、
1つ目は
「企業・社会に貢献する意識が高く、成果主義であること」
であり、2つ目は、
「自らの価値向上に余念がなく、向上心が高い事。自己研鑽を怠らないこと」
です。だから、仕事をしていて、私にとって非常に「心地が良い」方たちです。
一方で実は、私は、この数年間、彼らと共に仕事をする中で、こういった方々の中に「スッと差し込む一抹の影のようなもの」も感じておりました。
それは、ほんの拍子に出てくる冗談のような言葉なのですが、
たとえば、私に対して……であれば、
「もし、機会があれば私を使って(雇って)ください」とか、
「弟子とか、取られていないんですか?」や、
「スポットコンサルティングなどを副業的に行うのってどうなのですか?」
「いま、顧問の業界ってどのような感じなのでしょうか?」
という言葉に現れるものです。
こういった質問の背後にある「共通の影の正体」(心理)とは、
「いま、一生懸命走っている企業パーソンとしてのキャリアのその先」
つまり、(特にオーナー企業の社長では無い方すべてに該当するであろう)人生100年時代に対する「将来への備え」(意識)なのだろうなと思います。
一方、現実は……と言うと、私の認識の限りにおいて、実は、そのセカンドキャリアの市場は(高齢化社会を体現するように)すでに飽和状態で、一時期のYoutuberや、クラウドソーシングの様に、個人間の競争は日々激化しており、もはや「二極化は免れない」と私は考えています。
結論から書けば、その二極化とは、
・素晴らしい実績を引っ提げて、良い仕事を、良い条件で引き受ける人と、
・仕事を取るために価格競争をしながら、どうにか食いつなぐ人です。
残酷ですが、これが現実です。
この市場に参入される方は、ほぼすべて「元〇〇の〇〇役職だ」と言いたいし、言います。
ただ、ハッキリ言わせて頂くと、顧問業の入り口はみなさん経歴、登壇歴、受賞歴、出版歴などの「ピカピカのキャリア」を持っているのがスタートラインなのは「当たり前」でして、そこには差別化の要素などない……と言うのが、この業界では常識です。
そして、更に困ったことに昨今では「サービスもプレーヤーも参入者が多すぎて、実力を証明する機会にすら恵まれないケース」すら多いのです。
これは育成出身のプロ野球選手などにも似ていると思いますが、要は「与えられる打席は限りなく少なく、求められる成果は限りなく高い」と言う事です。
だから、すくなくとも個人の市場参入者は、
「私のキャリアなら大丈夫だろう」などと舐めてかかる事など論外で、
「顧問市場で輝くような、高いブランド力」と、
「確実に成果を出せる、実績あるノウハウ」
を、初期装備し、与えられた「一度きりかもしれないチャンス」を確実にものにしなければならないのです。