時代の流れが加速を続けている
もはや、「延長線上」では、時代遅れになる。
全てが過去になる時代に求められる思想とは
2024.11

リスキリングを圧倒的に凌駕するリフレーミングの思想とは

2024.11.01

2024年、1月(ほぼ1年前)まあ、今年の年明けに掲げた「今月の提言」で、私は「リスキリング」について述べました。この論調は一見してまったくもって間違っていませんでした。

しかし、そこから10か月経過した2024年11月現在では「リスキリングは起点でしかない」と、改めて脅威を感じることになります。我々に必要なのは「リスキリング程度」ではあってはならない、そう思ったからです。

今日はそのお話しをしていこうと思います。

 

▼産業革命のような大衝撃の時代を生き抜く

AIの台頭とその真価は、様子を注視すればするほど日々劇的な進歩を遂げています。それは「日進月歩」という言葉では足りないほどのものだと思います。

リスキリングの概念を考えたとき、それら確かに今年の1月に私が述べていたように「どこかにある新しい何か」ではなく「現状の進化系」であることはまず、相違ないです。ここを伸ばしていく事ももちろん価値がある。でも、もはやそれは「AIに代替してもらえる」レベルの領域に我々は足を踏み込んでいます。

▼思想の変遷を辿る

そこで、今年の中盤から考えるようになったのは「リスキリング」ではなく「リフレーミング」、すなわち従来の考え方を再定義し、実際の物事再構築することです。

実際問題、私が10月に発刊した「逆論のマーケティング」では、ありとあらゆる事象について「王道の先に見えた、逆論」と言うものを記載しており、それらは間違いなく現在の弊社を形成する「マーケティングの一つのカタチ」であることは、疑いの余地が無いのですが、これらの思想の原点を考えると、必ずしも「既存のマーケティング知識の延長線上」にあったものではなく、むしろ「常識とされていた固定観念を改めて捉えなおす」挙動こそが本質だったということが分かってきます。

▼しかし、リフレーミングはリスキリングの先にある

しかし、ここで問題なのは、そもそも「リフレーミング」出来る人と言うのは、状況を改めて視野・視座・視点で捉えなおすことが出来る素地を一定レベル以上持っていないといけない。と言うことになり、これがプロフェッショナルのプロフェッショナルたる所以なのか、と改めて気が付いた次第です。

リフレーミングが出来なければ、その知識は「過去の遺産」に執着し、次代の変遷とともに陳腐化していってしまう。正しくはその価値を相対的に落としていく。

それは、活版印刷の伝説的なプロがいたとして、プリンタが台頭する時代には「求められなくなる」というようなイメージに近いでしょうか。どれだけ活版印刷をリスキリングしたとしても、プリンタの台頭には絶対に勝てない。

それくらいの「ゲームチェンジ」がマーケティング界隈、もっと言えばビジネス領域の「至る所」で起こっている。あるいは、起ころうとしている。

状況はまさにカオスで、我々に求められるのは「知識」よりも「知恵」であり、しかし、知恵を働かすには「前提の知識が必要」という、まさにカオスな状況になったといえるのではないか……と言う事です。

▼未来へ向けて

私自身、1日2時間以上、AIとの対話を毎日繰り返す中で、自身のメソッドの研鑽を続けるわけですが、リフレーミングから生まれる戦略は実に強力で、従来のあらゆる概念を覆し、高度な競争力を生み出していきます。

それらは、弊社自身がクライアント実績と、自社で証明している通りですが、これからのマーケティングは、過去の権威も威光も、もはや通用しないことを痛感します。AIは、すべてをあっという間に「過去のもの」にしていくからです。

ですから、我々が生き残るためには、まさに新時代の「変化」をどれだけ自分のものに出来るのか、という「分水嶺」に掛かっているのかもしれません。

ひとつ、安心してほしいのはリフレーミングの思考というのは(現時点の)AIは「得意ではない」と言うことです。AIは、膨大な情報を整理し処理することに長ける一方、具体と抽象の思考の往来のような作業は苦手だからです。これは、人間の「経験則」から生じる「当たりをつける」思考が影響していると考えられます。

ですから、リフレーミングまで出来るようになれば、一定は戦える。ただ、私には、更にその先に見えている世界が見えており、また途方に暮れていますが…(笑)

まあ、そんな脅威を感じながら必死に研鑽を続け、その学びを自社のコンサルティングに生かす日々です。お互いに頑張っていきましょう。