多くの企業が最先端と最高を追う。
しかし、それらは常に活動を要求する。
資産が生むマーケティングは底が固い。
2026.11

資産が生むマーケティングは底が固い

2026.11.01

昨今、多くの企業がAI時代に翻弄されるかのようにビジネスモデルを変えたり、自社の需要が左右されたり、あるいはこれまでのやり方が通用しなくなって苦境に陥ったりしています。

他方、よく語られるのは「そんな時代だからこそAIを使いこなせば」という文脈です。

まあ、一定正しいことは認めます。しかし、本当にそれは「本質」なのでしょうか。

たとえば、「変化に適合する」には相応の覚悟も必要ですし、あらゆることを見直したり、あるいは止めなければならないこともある。そんな時に真に必要なのは「変わること」ではなく、「社運をかけなくても、変える試行錯誤ができること」のほうに思えます。

今日はそんな、変化の基盤について書いていこうと思います。

▼ブランドは「独自の資産」から生まれ、代替を難しくする

たとえば弊社の場合、BBT大学で講義になるほど体系化された「受注プロセス戦略®」という概念がありますが、この概念はすでに、創業8年目で東証プライム上場企業を含む50社以上の支援実績で展開され、そのうち上場企業9社を含む28社35案件の事例が、弊社公式サイトに公開されています。

これらの実績を「ひとり企業のコンサルが成した」と言えば、相応の方ならば、そこから高い再現性と幅広い業種への対応を汲み取るのはさほど難しくないでしょう。

ある方が以前、弊社のサイトを見て「貴方のサイトと自己紹介には過去の権威性が無い」とおっしゃっていたことが非常に印象的なのですが、私は「ブランドとはそういうもの」だと思っています。

受賞歴や登壇歴といった「看板」は、弊社のサイトにはほとんどありません。あるのは、固有名詞のついた事実だけです。

それは長い年月の上に醸成された「確固たる基盤」であり、それゆえ、時間の経過や時代の変化・変遷が起きたときにも高い耐久力を誇る。

なぜなら、そこには2つの条件があるからです。

1.展開しているメソッドの根底に、時代に左右されない普遍的な原則があること
(弊社の場合は、商いで必ず生じている受注からの逆算思考と適用)

2.どんなに保守的に評価しても、一定の評価をせざるを得ない事実が積み上がっていること

ですから、「AI時代に手法論が代替されて……」となっても、それは文字通り「手法論の代替」であって、必ずしも「本質のメソッドの代替」ではない。

一般に流布された手法論の多くを取り扱う支援事業者と弊社の違いは、まさに「ここ」にあります。

もちろん、AIも施策を提案したり、優先順位を比較したり、戦略の選択肢を提示したりすることはできます。

しかし、思考の逆算を行い、その企業の実態に即した最適解を導くためには、

「何を最も優先して行うべきか」
「何だけはしてはいけないのか」

という両軸を、企業自身が判断しなければなりません。

AIの出した答えを採用するにしても、そこには経験則に基づく判断と、結果に対する責任が存在するからです。

それゆえ、確立された「最適解」もまた、その企業の独自の資産になっていくわけですが、強い企業には(そして私がクライアント様として強くなっていただきたい企業様にも)、このような体系化が根付いていくわけです。

▼しかし、それは一朝一夕に行くものではない

一方、こういう話をすると「それをなるべく直ぐに、高度に適用してほしい」と要求される方がいらっしゃいます。

お気持ちは非常に理解できますが、真に強いブランドが代替されにくい最大の理由は、そこに「時間のアドバンテージ」が存在するからです。何度時代を経ても普遍となる場所に旗を立て、そこを基軸に「やらないこと」をルールとして定め、ただひたすらに積み上げていく。

先に挙げた2つの条件のうち、2つ目の「評価せざるを得ない事実」は、まさにこの時間の中でしか積み上がりません。弊社の場合なら、それを8年目まで続けたからこそ「こう」なっているわけですし、弊社のクライアントも、自社の持つ歴史や強みを、様々な案件やプロモーション、その改善プロセスを重ねるからこそ強固になっていくわけです。

重要なのは「進む方向が間違っていない」という確信を当事者が持つことであって、「最初から最強の状況になる」ことではない。

それが失われたとき、それは施策の支援にはなっても、事業の支援にはならないからです。血肉になる――ということは、この地道な積み上げの先に初めて見える「景色」です。

▼だから、資産は変化を恐れない

こうした資産が蓄積されている企業は、新しい技術や手法が登場するたびに、すべてを作り直す必要がありません。

すでに存在している「選ばれる理由」や「成果を生む仕組み」を基準に、新しい手法が何に役立ち、何には役立たないのかを判断できるからです。

つまり、変化そのものを恐れる必要がない。

守るべき基盤があるからこそ、必要な部分から試し、成果を見極め、時には失敗を許容しながら、次の一手を打つことができる。

これこそが、私の考える「資産が生むマーケティング」の強さです。

いま、時代は猛烈な変化を遂げています。3年前と現在のビジネス環境は、特に生成AIの登場以降、もはや隔世の感があると言っても過言ではないでしょう。

そんな時代だからこそ、浮草のように「ああでもない、こうでもない」と流れ続ける行為は、その事業や存在の根を枯らしてしまいます。

重要なのは、そんな時代にあっても「これだけは守りながら、ここはキチンと拾っていこう」という確固たる判断基準を持つこと。

そして、ビジネスがビジネスとして成り立っていくためには、この基盤のないところに「強いブランド」は存在しえません。

派手な手法論の賞味期限はどんどん短くなっています。

弊社がAIの活用論を無闇に配布しないのは、この2年だけでも、自らも顧客も、その活用の形が日進月歩という言葉では追いつかないほどの進化を続けているからです。

「AI社員を何人使った」という話も、蓋を開けてみればプロジェクトの集合体と監査ルーチンだった、という例は少なくありません。

AIO(AI検索最適化)の話も同じです。

たとえば弊社の場合、「受注プロセス戦略とは何か」と主要なAIに問えば、以下のような解答が返ってきます。

▼クリックで拡大します

もちろん、固有名称を指定した質問への回答ですから、これだけであらゆるAI検索における優位性が証明されるわけではありません。

ただし、これは「AIOのために新たな施策を展開した」結果ではありません。

「そもそもAIOなどを意識せずとも、成立する戦略で組んできた」結果です。

普遍的な場所に旗を立て、やらないことを決め、事実を積み上げ続けた。その蓄積が、AIという新しい情報接点においても活用され始めている。

それだけの話です。

考えてみれば、これもまた、資産が生むマーケティングの一つの姿でしょう。

新しい技術が登場するたびに、すべてを追いかける必要はありません。これまで積み上げたものが、新しい時代の中で、別の価値を生むこともあるからです。

本質は常に、時代が変わっても通用する普遍的な原則の中にあります。

だから、最後は問いましょう。

貴社は、社運をかけなくても試行錯誤できる「基盤」を、持てていますか?