「ブランドを形成する」ということ
「マーケティング」が、そのためにできること
2022.11

未来に至る、「戦略の道」とは

2022.11.01

本日から、弊社サイトがガラッとリニューアルされました。

さまざまな分野のプロフェッショナルの力をお借りすることができ、
あるいは、これまでのお客様との信頼関係の先に、
「企業」の形を成すものが出来たことは喜ばしい限りです。

さて、弊社自身も、さまざまな企業様の「サイト設計」を支援させて頂くことが多いのですが、とにかくこのWebサイトというのは、中々どうして、いざ、作ってみようとすると案外、難しいものです。

本日は、弊社サイトを例にブランディングにおける「戦略の道」についてお話しいたします。

▼創世記は、Webサイトに載せる情報はあまりにも少ない

これは、たとえば、ある製品のサイトをゼロから構築しようとしたときや、
自らを商品とするような個人事業主には特にいえる事です。

実際に多くの人が必ず通る道なのですが、いざ、開業し(あるいはプロダクトをロンチし)、Webサイトに「目的を持たせて」情報を並べてみようとすると……、恐ろしいほどに書くことがありません。

多くの場合、デザインでスペースを広くとりながら自己紹介。

個人の場合なら、過去の会社で勝ち得た受賞歴や経歴を書くのがせいぜい。

それから、ふんわりとしたキャッチコピーを載せて「それっぽく」はできるのですが、読み手からすると「結局、この人(が何を提供しているのか)が、よくわからない……」となるのがオチです。

「こういうデザインのサイトだから……」と、強がってみても、商売をする以上、「身内に伝わればいいでしょ!」という訳はありません。(もし、本当にそうであるなら、Webサイトなど作らなくていいはずです)

その身内にしたって「本当にあなたの仕事をよくわかっている人」なんて実はそんなにいません。

嘘だと思うならSNSで、フィードの上から3人流れてきた投稿者を、誰か他人に紹介してみようとしてみて頂ければ解ります。所属、経歴、大枠の人柄くらいしか語れませんから。

また、人によっては「自分の家族すら自分の仕事をまともに理解していない」なんて人も多いのではないでしょうか。

要は、皆様が他人から理解されている度合も「その程度」という事です。

結局、この手のサイトを「企業・事業」レベルで打ち出そうと思えば、
それが、サービスであれ、自分自身であれ、

・しっかりとした「サービスのコンセプト」
・それを裏付ける「理念・ビジョン」
・ビジョンを裏打ちする「数字・実績」
・実績を証明する「豊富な事例、メディア掲載例など」

などが手札として揃わないと、どうにも(特に私のようなコンサル事業などだと)、
「なんだか耳当たりの良い事が書いてあるけど、怪しい」となるしかないんですよね。

私は、2カ月前のコラムでも「実力がないのに露出だけ増えても、最後は不幸になる」類のことを書きましたが、この塩梅がどうにも難しいのです。

▼その「壁」を超えるために何が必要か

これを超えるために使われるものが未来図であり、戦略であり、布石です。

将来のサイト(事業)の方向性をザックリでも良いので設計の段階で定義し、
「こうすれば、軌道に乗りそうだ」という未来のイメージをくみ上げていく。

そして、それを実現するために必要なピースを戦略的に集めていく。

ハッキリ言えば、設計図も持たずに家を建てても、それは素人仕事で、
少しずつであれ「完成のイメージ」をもって、コツコツ取り組むことこそが重要です。

弊社サイトをケースに「種明かし」をしつつ解説してみましょう。
実は、私は戦略上当初から自社のサービスにおける
1)自称から「マーケター」という言葉を排除
2)サービス解説における「BtoB(C)マーケティング」などの一般表現も極力排除

することから、この取り組みを始めました。

理由はシンプル。これらの、一般用語は「誰もが使うことができる」からです。
私は当初から「使った瞬間、競争に巻き込まれるような言葉(一般用語)」を、いまさらながら使う意味はないと思っていました。私は、それを「マーケティングの基本」だと考えています。

さて、と言う事で、

1)マーケティング組織構築コンサルタント
という概念と、

2)受注プロセス戦略
という言葉を創ったんですね。

視点が営業側にあったり、マーケティング組織の概念が全社的なものであったり、
個人的には「より本質に近づいたもの」と定義しました。

どちらの言葉も実は「ありそうで、ない」ものでした。

「受注プロセス」って言葉自体、普通にありそうじゃないですか。

でも、Googleなどで検索をしてみても、その検索結果は、当時はゼロ(営業プロセスや、商談プロセスという言葉はありましたが)だったんですよ。

▼定義した戦略から地上戦と、空中戦を抑える

しかし、こういう概念に「これだ!」とピンと来たとして、そこだけを先行させ、防壁のないまま拡張をしてしまうと、やがて他社がそれを模倣し、自らが苦しむことになります。

防衛網を持たずして拡大する企業は本当に多いのですが、
その後大手(や、資本力のある相手)に飲まれてしまう最大の要因はココです。

つまり、良いアイデアを「そのまま突き抜けようとしてはダメ」なんです。
これらを「目立たないように、周到に準備、展開していく」必要がある。

つまり「世に出るタイミングを焦らず、機が熟すまで待つ」のです。

世の中には、人のものを(それがコンセプトであれ、キャッチコピーであれ)何食わぬ顔でパクる道徳も品性もない「残念な輩」が、実はすごく多いのです。そして、彼らの生み出す「品性のかけらもない劣化コピー」は、間違いなくオリジナルの品格を落とします。

だから、唯一無二の価値を守る。
そのために「マーケティングが出来ること」は、2つあります。

1)その立ち位置で、圧倒的な優位性(独自性)を確立する
2)そもそも模倣できない環境を生み出す

どちらも、残念な輩に「ご退場頂くためのアクション」です。

私の場合1はもう「実績・事例」ですね。
特に企業に向けて発信するならなおのことです。

BtoBで事業をするのなら、その際は「成果」としての事例こそが重要です。かつ、事例の許諾は、なるべく「信頼を担保できる」ような一流の企業様から頂きます(過去のコネだけを集め参画だけをPRしても、他人からは「なれ合い」にしか見えません)。

「あの〇〇を手がけ、実績を出している……」という言葉に勝るものはありません。
これを2年、3年かけて、しっかりと実績として出す。その件数を積み上げる。
弊社の場合も、その数が5社になり、10社になり……そして、現在に至るわけです。

ですから、いまさら同じような肩書を名乗られたところで痛くも痒くもありません。
(まあ、少しでもマーケティングをかじった人ならそんなアホなことをするわけがないのですが)。

なぜなら、同じ土俵に立った瞬間、そこには歴然たる「実績の差」が、存在するわけですから。

さて、次に2です。

そもそも模倣されないことが望ましいわけですね。
実は、企業におけるこの領域の防衛手段は、さほど難しくありません。

それは、つまり「商標」や「特許」を抑えてしまえばいい。

さて、翻って弊社はどうでしょう。

・Marketer’s Brain
・マーケティングに道筋を。
・受注プロセス戦略

現在の弊社サイトを支えているこれらのキーコンセプト。

実は、これらはすべて弊社の登録商標です。

「受注プロセス戦略」なんかは特にですね。

他人様にこれを話すと「え、そんな一般用語で商標って取れるんですか!?」と言われますが。

はい、取れます。そして、これもマーケティングの基本戦略です。

それに、そもそも一般用語じゃないんですよ。
先にも書きましたが、当時は「受注プロセス」のGoogle検索結果は0でしたから。

むろん、商標をスムーズ抑えるために、あらゆる公の場に出る局面も押えました、
この辺りもコツがあるのでお話ししましょう。

たとえば、法人成りした後に商業出版した拙著のタイトルは、

・「営業」をデジタル化し、「経営」を加速させる、「強い」マーケティング組織のつくり方
・営業を起点とし、マーケティング組織で実現させる、Webサイト受注プロセス戦略

と、2冊存在する訳ですが。

もう、この書籍のタイトルが「それに類する検索結果を埋めてくれる」だけで、私にとっては御の字です(むろん、他にも絶大な効果はありますが、閑話休題)。そもそも、そういう書籍が出版され、社会的に認知。そして幸運にも全国紙(新聞)にまで掲載されている訳ですから、あらゆる意味で「独自領域の確保」がされた訳です。

そういう地上戦と、空中戦を両局面で抑え、それを司るWebサイトという本丸に陣を構える。ここまでやって、ようやく「最低限の準備が完了」という事です。

つまり、上記で取り上げた、
・しっかりとした「サービスのコンセプト」
・それを裏付ける「理念・ビジョン」
・ビジョンを裏打ちする「数字・実績」
・実績を証明する「豊富な事例、メディア掲載例など」

は、このように「未来図を実現する、遠見の戦略を構築し、それを実現する布石を着実に展開していく」ことで、はじめて成立していくものだと言う事です。

つまり、「昨日、今日でパッと出てくる成果ではない」……という事ですね。

決して、プロモーションやら、Webサイトという一つの(ましてやテクニカルな)側面だけでは無いという事です。

▼しかして、そこに至る道のり……ではどうするのか。

さて、たどり着いてしまえば「良し」と言ったものですが、それはあくまでも結果論。

最初から手札がそろっている訳じゃないですよね。
私もそうでした。独立当初は、お金も、実績も、コネもありませんでしたから。

では、そこに至るまではどうすれば良いのでしょうか。

これももう、タネ明かしをいたします。

実は弊社は過去、自社サイトで100本超の「マーケティングメソッドに関する情報ブログ」を掲載していました。そして、いくつか段階を経て、今回のリニューアルで、ついにそれらのブログ記事は完全に削除され、0本となりました。

なぜ、私は「検索上位で、アクセス数も稼いでいたコンテンツをつぶした」のか。

実は、これも「目的」から考えると解り易いです。
独立当時から、私がブログを通じて達成したかった事は、

・ビジョンを裏打ちする「数字・実績」の担保

です。

でも、創業当時は(当たり前ですが)その実績がなかった。

だから、自分の知識を出して、その文章のうえで実力を証明するほかない。ブログの記事は確かに有益でしたし、読み手の人も回遊してくださっているものでしたが、そもそも、弊社サイトにおける「目標(ゴール)」が、「デ・スーザ リッキーと言う人間に対する(仕事を依頼するための)信用の担保」だと設定するならば、

たとえ、その記事がどれだけ読まれていようとも、
現在においては「事例と実績」こそが、もっとも端的に、そして、より高度にその役割を果たしてくれるわけです。

ならば、(コンサルティングという商売を前提とするならば)見ず知らずの読み手に対して、それ以上の余計な情報を渡す必要はないんですね。

だから、現時点においてはバッサリ落とす。

メソッドは「コンサルティングを通じて伝えれば、結局は同じ」ですから。
(むしろ、隠れている分だけ、競合からの模倣を困難にしていきます)。

「端的に、解り易く、伝えるべきことが伝わればいい」
これは、上記のような設計思想があって初めて成立する考え方です。

要は、「自社のフェーズに合わせて『商品としての自分の魅せ方』≒戦術を変えていた」という話です。

これもまた、マーケティング戦略における基本の所作ですよね。
「いつでも、何にでも使える魔法の戦略」など、存在しないという事です。

▼だから、当然、弊社の支援にも「個々に併せた戦略」がある

私は「未来図と設計思想」をとても大事にしています。

そこに至るためのピースも、そのフェーズに沿ったものを用意し、時には「それらを大胆に捨てる」という事も厭わずに行います。

事実、それを自社サイトでも「体現」してきました。

そして、これは、自社のみならず、私がプロフェッショナルとして支援するお客様に対しても同様です。多くの企業は「施策を増やすこと」「やったほうが良い事をたくさんやること」に注力します。

しかし、こと、マーケティングの世界においては、
「やらなくていい事」のほうがよっぽど大切だったりします。

なぜなら、すべてのマーケティング施策は、意見を求めれば
「やっておいたほうがい良いんじゃない?」となってしまうからです。

しかし、そこに「未来図と戦略」という一本の「道」が通れば、要点を抑え、最短のルートを歩むことも難しくはありません。

コツコツと積み上げ、いずれ捨てると分かっているものでも、最適なタイミングでは真摯に投入し、フェーズに沿って、時にバッサリ切り捨てる覚悟も持つ。

私の場合はそれを3年かけたわけですが、まあ、そんなものでしょう。
(独立系の経営者から言わせれば「早すぎるくらいだ!」とすら言われます)

本サイトの歩み~現状は、その形を理解するには好例かと思います。
(とうてい、コンサル1名でやっている会社の在りようには見えませんから)

つまり、弊社なら、まさにココにある通り、どんな企業様に対しても、それが出来ます。
やり方をすべて体現しているからです。事実、支援の実例もあります。

それが「見れば、説得力を持ってわかる」ようになっています。

私は、これこそが「ブランディング活動の基本」じゃないのかなあと思いますが……さて、皆様はどう思いますか?

最後はいつものように伺いましょう。

あなたの会社には「目指す未来に至る、戦略の道」がありますか?