正しいことは、必ずしも成果に直結しない。
知識量も、必ずしも成果に直結しない。
顧客理解の前に、必要なこととは。
2022.04

「あれこれ試して」迷走する企業のたった1つの特徴

2022.04.01

おかげさまで創業から3年が経過した弊社は、これまでに数々の企業で多くの組織構築および、プロダクトやサービスのマーケティングに携わらせて頂きました。

社数で言えば30社以上。プロダクトだと100は優に超えています。

お客様がたのスタートラインは様々でした。

「まったく何もないところから」という方もいらっしゃれば、「ある程度、様々な手段を講じてきた中で、ついに手詰まりになった」と言うお客様もいらっしゃいました。

そして、そんなお客様がたの支援を続けるなか、実は、弊社はあるタイミングで特に「後者」のお客様に、ある「共通の課題」を見つけることになります。

それを、掘り下げてみると、実は、それこそは「とりあえず、専門家に任せよう」と、一般的なコンサルティング支援会社や、広告代理店や、制作会社を使ってきた方々が、一様に、そして最後に「必ず」到達する問題だったのですが……。

彼ら「組織の中の人間」が行きつく最終的な問題とは何か?というと、それは、ただ1点。

「結局、外部から言われる事が、本当に正しいのか判断でき(分から)ない」と言う問題でした。

▼多くの支援事業社がクライアントとの間に陥る「最後のジレンマ」

実は、これは、本当に「根が深い問題」です。

……と言うのも、支援事業者の多くは「自分たちの理論は間違っていない」とか「自分たちの支援内容(理論展開)は正しい」と言う前提のもとで、クライアント企業の成果を最大化するために尽力している……と言うのは共通の良識だからです。

ところが、ここに(だからこそ)タチの悪い問題と言うのが存在しています。

たとえ話を出してみましょう。

「私は、キミの幸せを思ってアドバイスをしている」

こんなことを言われた時、実は言った相手に対して「嫌な感情を持ったことのある」人は、案外多いのではないでしょうか。恋愛や人生、仕事などの人生の節目で「余計なこと」を言ってくる第三者(親兄弟・親族・友人・上司・同僚など)。

今回の問題は、究極的には、この話と「同じ状況」が生じています。

たとえば、「コンテンツマーケティングでなかなか成果が出ない」と言う企業があったとしましょう。

その際に、「それはコンテンツが足りないから」とか「戦略が王道じゃない」とか「テクニカルな問題だ」とか、常識的な「さも、ありなん」な話は、ちょっとでもその分野をかじれば誰にでも、同じようにアドバイスができるわけですが。

だからこそ、こと、仕事において「本当に、それが(自社にとっての)正解なのだろうか?」と、聞き手(受け手)側に、ほんの一筋だけでも「疑問」が生じた時、その答えを「聞き手本人が出すことが出来ない」と言うのが、これらすべての問題の根底にあります。

これは、サービスを提供する側のポジショントークに問題があると言うよりも、昨今の社会における課題だと個人的には思っています。

要するに「リテラシーが低いから専門家にやってもらう」とか「流行っているみたいだから外注に任せる」と、なんとなく決めたことが、最終的にどこに行きつくのか?というと、このような「最終的に、お客様のためになっていない状況」に長い道の果てにたどり着いてしまう……と言う皮肉のような話です。

※しかも、依頼する金額・規模が大きくなればなるほど、ゆくゆくそれが「致命傷」になっていくのです。

当たり前ですが、企業内の事を本当に理解しているのは「経営陣」や「社員」であり、それ以外はしょせん(私と言う存在も含めて)「外部の人間」です。

どんなに仲が良かろうが、常駐していようが、それは代えがたい事実です。
だから、自身の経験も踏まえて断言します。

この問題を「外部の人間が」アドバイス程度で解決することは、永遠にできません。

▼その問題は、どのように解決すべきなのか

では、弊社が、こういう企業に存在する課題を、どう解決していくのか?と言うと、それが「企業側が、自分たちの価値基準を使って、自分で判断ができるようにする」と言うシンプルな方法です。

弊社は「マーケティング組織構築」という事業をさせて頂いておりますが、なぜ「組織化」という「内政(しかも原点)」の話ばかりをするのかと言うと、こういう「外からの話」が来た時に「自分たちのモノサシ」を持っていない企業は、(それが善意であれ、悪意であれ)結局、最後は食い物にされてしまう(あるいは「自社にとって正しい」と言う確信が持てないまま、目隠しをしたまま走り続ける)からです。

そこから脱するには自分自身が、一定のリテラシーを持つ必要がある。

とは言え、それは「手段(知識)」の話にフォーカスするものではありません。

先の例を元に考えると分かりやすいのですが、

「私は、キミの幸せを思ってアドバイスをしている」と、いう話に対して、
(例:新婚の君は、養育費のタイミングに備えて今から3LDKの物件を買うべきという助言)

「でも、私の価値観では、それはやらないよ」と、返せるようになることです。
(例:確かにそれは計画的だけど、今は子供を産む予定がそもそもないから不要と言う判断)

つまり、それは、

1)アドバイスの中身が本質的に正しいか、正しくないか
(例:実際の投資対効果や、家族が増えた時の生活環境や経済合理性)
と言う「専門性における判断基準」だけを持つことではなく、

2)自分の価値観や状況に照らし合わせて、どうすべきか
(例:正しいかもしれないけど、そもそも子供を作る予定がないから今は検討しない)。
と言う「価値の判断基準」も持てているのか?……と言うことに尽きるのです。

これは、かぎ括弧の例にあるように「(現状の)自己の価値観の認識」の問題であって、断じて「知識と専門性」だけの話ではありません(だからこそ、知識を養うカリキュラム型の研修やセミナー程度では、受講者本人の満足感は満たせても、業績は何も改善しないと、私は何度も言っているのです)。

企業には、「経営理念がこう、業種がこう、社風がこう、社員数がこう、予算がこう、タイミングがこう……」など、その事業体、組織のみならず、その状況に併せた「最適解」が存在するはずです。

違う例を出してみましょう。

端的に言えばそれは「この服、あの人が着ているとめっちゃ格好良いんだけど、自分には、なんだか似合わない」と言う感覚と一緒です。

英語には「Suit You」(君に似合う)と言う表現があるのですが、この表現は、英語圏では別に存在する「Beautiful」(美しい)や「Smart」(身なりが良い)とは明確に区別して使われます。

それが生じる理由は、あなたの顔立ち、骨格(体系)、身長、肌の色などによります。

たとえば「肌の色」ひとつを取っても、ファッション業界では「ブルべ」「イエベ」などの言葉あるのですが、要は例えば同じ日本人でも「肌が透き通った感じに白い人」には黒い服が似合うが、黄色を帯びている肌色の人には、実は黒い服はさほど似合わない……と言うようなことが(実は当たり前に)存在しているという事です。

そう。実は「黒は万人に似合う。困ったら黒い服を選ぶと良い」……と言う「常識」は「ある一定の人間」にとっては「根本的に間違っている」可能性すらあるんですね(だって、肌の色や骨格、身長って基本的には変えられないでしょう?)。

企業文化も、当然それと同様に(あるいはそれ以上に)考えることができます。

つまり、「世の中的な正解」は、確かに一定は必要な情報だけれども、「それが貴社にとって最適であるか?」は明確に別の話として考えて活用しなければならない……という事です。

これは、最初の話に戻れば、いかに流行していたとしても、いかにそれが世間的に成功例だったとしても「そもそも、(現在の)自社にはコンテンツマーケティングは必要なかった」と言う結論になる可能性すらあり得る……と言う話です。

だからこそ、断じて「万人に適用できる、唯一無二の勝利の方程式(だれもの夢がかなう魔法の杖≒これさえやれば、大丈夫)など存在しない」という事です。それは、そもそも、あなたの雰囲気に「絶対に似合わない服」を「どうにか似合うように…」と、無理を重ねることと、ほぼ一緒の話です。

本来なら「自分に似合う服」を正しく理解し、それを着ればいいだけの話のはずなのです。

▼私の考える「マーケティングを実現する組織」とは

弊社が、「マーケティング組織構築」を行う中で、お客様から(数字的な成果とは別に)非常によく頂くキーワードが、まさにこの先にある「納得しているので、次に進めます」と言う言葉です。

私はよく支援先の事業社さまに「デ・スーザが言ったから正しい…と言うのは断じてありえません」と言います。なぜなら、私は神様でも何でもないからです。

仮にそれを「はいはい」と受け入れ続けたとして、それでは企業は何も変わりません。

私がやりたいことは、多くの支援事業者と、一線を画しています。

それは、様々な、その企業様にとって必要となる材料(マーケティングへの気づき)をお渡しつつ、クライアント企業様が、自分たちの「状況」や「価値観」をもとに、総合的に判断し、より良い方向へ自社を導いていただけるようになること。

その力をご自身で培っていただくこと=企業・組織の構築と成長こそが、私が考える「本当にマーケティングが機能している組織」の最終形です。

すべての企業におけるマーケティングは「判断」から動き出します。
そもそも「判断」なしに経営など、出来ません。

だから、どうか、考えてみてください。

貴社のマーケティング「組織」(担当者個人ではありません)には、外部の話を判断するための「軸」はありますか? と――。

私からの提案をシンプルにまとめると、この一言です。

貴社は「世の中で最高と言われるマーケティング」を模倣するのではなく、貴社は「貴社にとって最適な(一番似合う/一番成果の出る)マーケティング」をすべきなのでは、ないでしょうか? と。

それが、貴社の本当の歩みの第一歩となるはずです。

※そして、それを迅速に、正確に、確実に見つけ、組織文化にしていく一連のプログラムこそが、弊社の「マーケティング組織構築コンサルティング」の本質でもあります。