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化学・製造東証上場企業海外進出BtoB

住友化学株式会社様

技術ライセンス事業の海外展開強化。住友化学様と実現させた、世界に通用する国産マーケティング戦略の展望
インタビュー
住友化学株式会社様 エッセンシャルケミカルズ部門
ご契約内容
海外向け マーケティング戦略~戦術構築支援

住友化学株式会社は、住友グループの1つで、東証プライム市場に上場する大手総合化学メーカーです。同社のエッセンシャルケミカルズ部門では、2年前より技術ライセンス事業拡大のため、海外マーケティングを強化していくプロジェクトを発足しました。

ここでも、Marketer’s Brainのメソッドがお役に立っています。

▼ご利用前は、どのようなことに悩んでいましたか?

エッセンシャルケミカルズ部門は、ポリエチレン、ポリプロピレン、メタクリル樹脂などの合成樹脂や各種工業薬品など、顧客の幅広いニーズに応え、さまざまな産業の礎となる化学製品を提供しています。

弊社の中期経営計画(2224年度)でも公表されている通り、「事業ポートフォリオの高度化」、「カーボンニュートラルへ向けた責務と貢献」の一環として、当部門では、環境負荷低減など石油化学産業が抱える課題解決に貢献するライセンス・触媒事業のグローバル展開を強化しています。

各種施策を立案、遂行する中で、海外マーケティングに係る「具体的な戦略や戦術」には、課題を感じていました。

というのも、当時、我々の技術ライセンス事業では、技術の知名度や他社からの紹介などで一定の引き合いは得ていたものの、マーケティングと呼べる活動は十分にできておらず、世界の潜在顧客に適切にリーチできている実感を持てずにいました。

効果的な課題解決について検討していたところ、弊社の他事業部ですでに実績を出されているデ・スーザさんのお名前を伺い、成果に繋がるマーケティング戦略・受注プロセス確立のため、本プロジェクトにご参画頂きました。

▼結果、どんなことが起こりましたか?

デ・スーザさんとのセッションを通じて、そもそも、技術ライセンス事業の海外展開を強化するため、自社の技術ライセンス事業がマーケットで勝ち抜くには、その強みを「言語化」する必要性を感じました。

つまり、それは「我々の技術ライセンス事業はどんなもので、どこに魅力があり、どの部分がビジネスとして通用するのか」と言う基本を、端的に伝えるための「スローガン」の作成です。

弊社が長年にわたり培った技術と信頼について、

1.お客様視点で「どのように」わかりやすく価値訴求できるか
2.我々の技術が世界に通用する「強み」とは何か

そういった概念を構築するために、様々なアドバイスを受けながら、試行錯誤を繰り返しました。結果、我々は自社のライセンス事業について、住友の事業精神である「自利利他 公私一如」との整合性に改めて気づくとともに、技術の価値と信頼を端的に集約した、「Three Elements of Trust」という概念を構築することができました。その後、この軸に沿って、技術毎の特徴・強みを整理し、すべてのライセンス技術を同じメソッドで説明できるようになりました。

また、デ・スーザさんのご指導は、単なる戦略上の概念のみならず、それを展開する戦術やアウトプットにまで落とし込まれていました。

具体的には、MAツールを活用して広く展開する方法や、顧客育成(ナーチャリング)を前提とした実際のコミュニケーション設計。実際のアウトプットとしては、1通の挨拶メールの文面から、Webサイト、ダウンロード資料、Web会議や商談で扱われる資料の準備に至るまで多岐に及んでいます。

これらのセッションを通じ、受注プロセスが「しくみ化」され、潜在顧客とのコミュニケーション・商談の標準化・効率化を図ることができました。

加えて、技術ライセンス事業の対象となるお客様は、基本的に海外顧客のため、上述の戦略上の概念はグローバルに理解され、また具体的な戦術やアウトプットは世界に通用するものでなければなりません。

海外顧客との接触を想定し、同プロジェクトは多国籍メンバーを集め組成しており、検討の過程では、セッションの中心が英語になることも多かったですし、実際の資料も(Webサイトが英語であるように)ほぼすべて英文でした。

そのような状況であっても、デ・スーザさんには滞りなくご支援頂き、多角的な視点で議論を進めることができました。最終的には、文化や習慣の異なる世界中のお客様にも通用するマーケティング戦略を構築。日本と海外の間に存在しがちな「言語と文化の壁」を超え、海外展開強化のためのスタートラインに立つことができたと感じております。

そして、2年という時間を経て、ついに(下記に紹介する)素晴らしいアウトプットを公開することが出来ました。おかげさまで、現在では、マーケティング施策に係るアドバイス、併走支援を受けながら、新規引合いを増やし受注に繋げるべく、活動に取り組むことができています。

▼実際に公開されたWebサイト

※URLはコチラ
https://www.sumitomo-chem.co.jp/technology-licensing/

今後の貴社の展望を教えてください。

丁寧にご支援をいただいたおかげで、今回のプロジェクトに通じて「自分たちが、自信と確信をもってマーケティング活動を推進出来る」という体制を構築し、しかもそれをカタチとして実際に表現することもできるようになりました。

他部署や営業スタッフの間でも「たしかに、これはお客様にとって理解しやすく、伝わりやすい」と好評で、力強い「手ごたえ」を感じています。

ご指導いただいた受注プロセス戦略®を活用し、弊社の技術ライセンス事業が世界に届き、当部門の事業強化に繋がるよう、全力で推進していきたいと思います。引き続き、ご指導よろしくお願いいたします。

―――お話、ありがとうございました。

・Marketer’s Brainよりプロジェクト秘話

本プロジェクトは、お客様の経営理念を活かしたスローガンの構築から始まり、見せ方の整理、そして、実際のマーケティング戦略の展開までの一本の「マーケティングの道すじ」を推進する。しかも時には全部英語で(!)というもの凄い案件だったのですが、「受注プロセス戦略®」を高度に応用することで、どうにかお客様の望む形を提供することが出来ました。

 

非常に喜ばしかったのは、本プロジェクトの中では住友化学様という日本企業にありながらも、 多国籍なプロジェクトメンバーと、セールス・プロモーション、マーケティングに関する様々な議論があったのですが、総じて「確かに、デ・スーザさんの言う事は納得できるし、腹落ちする」と言ったようなフィードバックが返ってきたこと。そして、それらが実際に稼働し、成果貢献できていることです。

 

つまり、 「受注プロセス戦略®」は海外でも通用する。本プロジェクトを通じて、私は、その確信を得る事が出来ました。

 

そもそも、マーケティングメソッドも含めて「海外ブランド」はとかく、日本人にもてはやされがちです。

 

しかし、過去にアメリカの経済学で提唱された「セオリーZ」などですでに言及されているとおり、日本企業と欧米企業には、文化レベルから確実に「違い」が存在している訳ですから「海外産のメソッドをそのまま取り入れたら完璧です」というのは、(憧れや横文字のカッコよさはさておき)少々虫がよすぎる話といえるでしょう。

 

で、あるならば「日本文化の企業が(海外を含めて)実績を出す」のならば、それは「日本式のビジネスに即したマーケティング戦略であること」こそが、最適ではないのか……と言うのが私の考え方でした。

 

純国産のマーケティングメソッド「受注プロセス戦略®」は、日本型組織の全体に波及するように設計されており、このメソッドが海外で実際に通用したという実情は本当に誇らしく思いますし、だからこそ、これからの時代に、今後このメソッドが多くの企業の助けになることを願ってやみません。

 

もちろん、その先頭には住友化学様の今回のプロジェクトがあることは言うまでもありません。本当に、ありがとうございました(デ・スーザ)