DIC株式会社様は、印刷インキや有機顔料、機能性樹脂などをグローバルに展開する化学メーカーです。この企業様では、B to Bビジネスの全社的なデジタル化を、DX推進部を中心に推進されています。
株式会社Marketer’s Brainのメソッドが、その展開に大きく貢献しています。
DIC株式会社様
▼ご利用前は、どのようなことに悩んでいましたか?
2022年頃より、新規事業の一環としてロボット用樹脂素材の市場展開を進めることになりました。しかしながら、当社に蓄積されていた知見が乏しく、「誰に向かって、どのように商材を展開するのか?」が完全に手探りの状態でした。
加えて、従来のロボットフィンガーは「把持するだけ」の単純な機能しか持たず、競争力を持たせるための差別化要素を見いだせていませんでした。そこで、「化学の視点からロボットを再構築する」というアプローチを採用し、材料の特性を活かした全く新しい設計を検討することになりました。
とはいえ、単に素材を改良するだけでは十分なインパクトを生むことはできません。自分たちなりにも練り上げてみたのですが、どうにも感触もイマイチでした。
そこで、Marketer’s Brainのデ・スーザさんに「市場が求める要素をどのように組み込めば競争優位性を確立できるか?」というマーケティング戦略の立案から、施策への落とし込み、実際の展開までを支援していただくことになりました。
▼結果、どんなことが起こりましたか?
デ・スーザさんとは以前から仕事をご一緒させていただいておりましたので、その実力は十分に理解していました。しかし、特に印象的だったのは、「技術を市場が理解できる形に落とし込む」というプロセスでした。
具体的な成果として、以下の3点が挙げられます。
1.ターゲットリードの獲得精度の向上
受注プロセス戦略のメソッドを適用することで、展示会においてターゲット企業の関心を引きつけるための「従来のロボットフィンガーと何が違うのか」を明確に訴求することができるようになりました(あるべき言語の発見)。
2.技術進化の可視化
これまでの「把持するだけ」のロボットフィンガーに対し、DIC.PPS×MID技術により「位置センサー・接触感知センサー・圧力センサー」を一体化した高度な機能を搭載したロボットフィンガーを開発したという事実を、ストーリーとして構築しました。このストーリーが展示会で大きな注目を集め、リード獲得数が大幅に増加することになりました。
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Before:自分たちなりにまとめていたが訴求力が低かった | After:お客様に気づきと価値を与える、一連の流れおよび、その「きっかけ」までを言語化に成功 |
3.メディア露出の増加
伝わりやすさが変化したことにより「DICが面白いものを展示している」との評判が広がり、プラスチック関連メディア(ソフトマター、NewsDigest、PlaBase)からの取材依頼を獲得することになりました。
これらの結果、展示会で発生したリードに対する商談率が飛躍的に向上し、受注プロセス戦略の有効性が、あらためて証明されることとなりました。
今後の貴社の展望を教えてください。
現在、確実に言える成果は、「展示会を活用したリード獲得の成功パターン」を確立したことと、そのやり方を体得できたことです。
このノウハウを活かし、「言語化×ストーリーテリング」を使った製品開発プロセスを他部門にも展開する予定です。次のステップとして、獲得したリードをさらに活用し、クロスセル・アップセルの仕組みを強化していきます。
特に、材料特性の強みを活かしながら、新規市場へと拡張できる可能性があると考えています。
また、今後は展示会に限らず、デジタルマーケティングとリアルイベントを組み合わせたハイブリッド戦略も検討していきます。
デ・スーザさんのアドバイスをもとに、単発の施策ではなく、中長期的に成果を最大化できる仕組みを整えていきたいと考えています。
――お話、ありがとうございました。