Newspicksでの活動を開始して90日(3か月)が経ちました。
結果、フォローゼロを維持しながら、80日目に1,000人突破、90日で1,101人のフォロワーを獲得。外部流入やフォロー依頼は一切行わず、純粋にコメントの価値のみで達成しました。
数字で見る成果:
・コメントの4割が20いいね以上(40.0%)
・1投稿の平均いいね数34.6(310投稿で総計10,747いいね)
・5月の約80%(通算24日以上)で週間ユーザーランキング1位、最長19日連続1位
世間的には「一切無名の私」が、とにもかくにも「出来すぎ」というくらいの成果でした。心から感謝いたします。
さて、そうなると、みなさまが気になるのは「なぜ、そうなるのか?」と「どうやったのか?」かと思います。
今回の記事では「影響力があるからバズる」という従来の概念ではではなく、「知見があるから伸びる」という本質的な構造で成立させるSNS論に、少しだけ触れてみましょう。
0フォローを完遂※アプリだとコメント数が減って表示 ▼本来、SNSは「目的ではなく手段である」
結論から言えば、逆論のSNSは「SNS目的ではなく手段である」という前提に立ちます。その認識こそが、この成果の根幹です。
従来のSNS常識は、どちらかと言えば「処世術」という側面を強く持つものでした。フォロー返し、相互いいね、日々の交流──これらは確かに表面的な賑わいは生みますが、実は、売上への寄与の側面は相対的に(かなり)劣ります。
処世術(表層)型SNS vs 本質型SNS という構図で比較してみましょう。
【処世術(表層)型】
・目的:数字を増やす、見栄えを整える
・手段:相互依存、ご機嫌伺い
・結果:主体性を失い、SNSが”しんどく”なる
【本質型】
・目的:価値を届ける、売上に寄与する
・手段:一貫した価値提供
・結果:持続可能な信頼とブランド構築
「バズった」「フォロワーが増えた」をゴールにした瞬間、それは単なる数字集めゲームです。ビジネスで重要なのは「自分の価値をどう創り出すか」。それが明確なら、たとえ100人のフォロワーでも方向性はブレません。
むろん、数字は「改善の参考」にしますが、それが「目的」であってはならないのです。
実際、私のクライアントは(そして今回の私自身も)既にその方法でSNSでの成功を収めています。
これまでは、この「逆論のSNSメソッド」は、「どうせ数字至上主義で私は主流派ではないから」という理由で公言していませんでしたが、今回、自らの体験を持って「2カ月前の提言」を裏付けることができたので、少し解説させて頂こうかと思います。
▼逆論のSNSは「何をしない」のか
まず、ここから行きましょう。
たとえば、Newspicksという場で「認定エキスパート」を拝命した私が心がけたのは、記事に対して独自の視点から価値を加えることです。つまり、「記事を読む楽しさを増幅させる」ことでした。
なぜなら、この目的は「私のマーケティングへの洞察とコンサルの器量を示すバロメーター」になり、その成果=実力の「可視化」に繋がるためです。
そのために私が今回、自分に課した「枷」は以下の5つです。
1.フォローをしない(フォロー対象の人格の影響を考慮されるから)
2.フォローバックなどの相互依存関係を持たない(コメントの品質で勝負をするから)
3.無暗に「いいね」を振りまくなどはしない(テクニック論だから)
4.コメントではマーケティング洞察以外を述べない(認定『エキスパート』が役割だから)
※具体的には、思想の対立を煽る行為、個人的感想のみを述べる行為、専門外領域での発言行為の禁止
5.コメントの大幅な方針変更を伴うリライトをしない
そのうえで、反響のみでフォロワーを積み上げていく…これこそを本丸に定めた訳です。
非常識に見える人もいるかもしれませんが、結果は冒頭の通りです。
(とりあえず2カ月前のコラムが「有言実行」になったことはホッとしています)。
コンサル業は「偉そうに理屈を唱えるなら、まず自分が示してみろ」とお客様に思われがちな職業です。
だからこそ、シンプルに「行動と結果」でそれを示すことが「何よりもの信頼形成」に直結します。
一方、私がもし、自分に与えられたタイトルに慢心し、肩書ベースの表層コメントに終始していたら永遠にたどりづけません。
だからこそ、達成時に得られたリターン(効果)は、当初想定した以上に大きなものとなりました。
▼逆論のSNSを達成するときに得られる3つの効果
それでは、その3つを解説してみましょう。
1:究極のタイパとコスパを両立
私はNewspicksのコメントを(コメント依頼がない限りは)基本的に早朝の1時間で終わらせます。
Newspicksは「いいね」などが付くだけですからコメントに対して何か再アクションをする必要性がありません。「価値あるもの」を出せば、あとは普通に仕事をして「結果を確認するのみ」で良いのです。つまり、「~ながら」的な工数も無ければ、「変なリアクションに気を遣う」工数もゼロです。
そして、それが伸びる(たとえば1位を取る)…と言うのは純粋に「私のコンサル思考が、Newspicksというプラットフォーム(顧客と親和性の高い)層に、コメントと言う形を通して浸透している」ことになります。これは広告費を一切かけず、推計年間数千万円~1億円規模の露出効果です。つまり、圧倒的なコスパを成立させているのです(実際、私はこの期間で、案件受注も複数件発生しています)。
※ちなみに、複数のAIに「ターゲットへの認知効果」を算出してもらったところ、これはX(旧Twitter)で言うと数万人のフォロワーを持つインフルエンサーに匹敵するという分析結果でした(GPTとClaudeで算出。参考程度に)。
2:フォロワーにノイズが皆無
私の投稿はこれまで310本、書評は50冊分ありますが、そのすべての投稿に「一切のブレ」がありません。これは「戦略設計」の成せる業です。
具体的には個人的な感想、思想の対立を促す煽り、ビジネスに直結しない余談などは極力排除しています(というか皆無に近いレベルです)。ですから、私のコメントを読んだユーザーの私へのフォローの動機は「義理」ではなく「期待」になります。
具体的には常に「マーケティング的な洞察のあるコメントへの期待」に集約され、私はその期待に応えるためだけに活動をすることになります。そして、これが1にもつながるのですが、私が皆様の期待に応えられれば「いいね」という反響を生み出し、また、露出が伸びる…と言うシンプルな好循環を生み出すのです。さらに、それ故「一貫性のある人」とブランディングが成され、フォローは加速する訳です。
もし、フォロワーに(義理立てなどの)ノイズがあると「いいね」を取ろうとすると多くのユーザーは投稿に(まるで風見鶏のように)「ブレ」を生じさせなければなりません。これこそが「最初に数を求めたもの」の末路になるのです。だから「処世術」としては正解でも、ビジネス文脈では「相対的に悪手」となる訳です。
3:実力が「見える」持続可能モデル
上記でも触れていますが、私の投稿は「感情を煽る要素」がありません。あくまでも構造的に「マーケティング的に読むとこうなるよ」と提示しています。
たとえば、マーケティングのプロフェッショナル…というケースの場合、世の中の多くのマーケターは「過去の事例をもとに学ぶ」形式を好みますがこれは「終わったスポーツ試合の見どころを解説するようなもの」です。
しかし、NewsPicksなら「日々のニュースをリアルタイムでマーケティング視点から解説する」ことができます。
実にフェアで、シンプルです
なぜなら、タスクは「コメントするだけ」ですし、結果はおのずと反響(数字)となって表れるからです。
倫理的に考えれば、クライアントの成果にコミットするプロと言う存在は「これで平常運転」くらいの気概でやらないとフェアではないと思います。だからこそ、完遂出来たことは望外の喜びでもあります。
▼「誰に、何のために」を、いつも考える
マーケティング界隈では、目立った事例に理論を後付けする風潮が根強くあります。
「これは〇〇理論に基づく…」といった分析は、正確であっても、実践には結び付きにくいことが多いものです。
大切なのは、「いま、現場で何が起きているか」。そして、「それを、どう言語化できるか」です。SNSにおいても同じです。
何度でも言いましょう。
特別な才能やスキルがなければマーケティングの成果が出ない、というのは幻想にすぎません。
重要なのは視点です。誰を見て、何を感じ、どう伝えるか。その積み重ねが、唯一無二のブランドとなるのです。そして、これは、鍛錬で獲得できる「スキル」なのです。
いま、マーケティングの世界には、「才能への幻想」や「インフルエンスの誤解」が蔓延しています。
しかし、私はこう考えています。マーケティングとは、誰かに伝えたいことを、適切な形で届ける作業に過ぎません。SNSも、それを行うひとつの場でしかない。
AIの登場によって、「思考の言語化力」や「伝達の精度」は今後ますます問われるようになるでしょう。そんな時代だからこそ、虚飾ではなく、実力で勝負するマーケターが評価されるようになる。
その未来に備えて、いまから「見せるための言葉」ではなく、「伝わる言葉」を磨くべきではないでしょうか。
「誰の、何のためのマーケティングか?」
その問いを持ち続けることが、今後のSNS活用においても最大の武器となると、私は信じています。そして、私の生業は「それを体得したい」多くの企業に向けて発信されるべきものでしかない…と言う事です。
※注1 ちなみにAIなどに解析をさせると「いいねを拒絶するスタイルは、一切のギブアンドテイクを排除したスタイル」と分析されるケースがありますが、視野狭窄と言わざるを得ません。なぜなら、私のフォロワーは「質の高い洞察」を求めているに他ならず、それこそが私の行える最高の「GIVE」になるからです。
※注2 今回の成果は「AIの適切な活用」によってもたらされているものであり、2025年以降、AIの「正しい文脈での適切な活用」はマーケティングを行うものに求められる「必須要件」になって行くと思います。したがい、このスピードも、成果も「特別」などと考えるべきではありません。現時点で私が、それを「確実に遂行」出来ている事実から(少なくともプロ領域では)「新基準のスタンダード」になる「前兆」だと捉えるべきでしょう。
では、この手法を参考に何から始めるべきでしょうか。まずは自社の『伝えたいこと』を明確にし、それが最も響く顧客層が集まるプラットフォームを特定する。そして、一貫した価値提供を続ける覚悟を持つ。シンプルですが、これが最も重要なステップです。
そんな、ある種「あたりまえのこと」を出来るようになる。私の仕事の本懐は、そこにあると思います。
最後にひとつ、問いを置かせてください。貴社のSNSには、『誰かに何かを伝えたい』という意志がありますか?