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化学・製造東証上場企業BtoB

株式会社クラレ様

コロナ禍の「オンライン展示会」が大成功~一気に加速した自社でのBtoBデジタル事業
インタビュー
株式会社クラレ様
ご契約内容
マーケティング顧問 契約

株式会社クラレ様は、高機能樹脂や繊維製品などを製造販売する日本の東証プライム市場に上場する大手化学メーカー様です。クラレ様における弊社の取り組みは、以前も導入事例として紹介させて頂きましたが、今回は日経新聞(2020年6月24日夕刊)の一面にも掲載されました「コロナ禍での成功例」について、少しの「タネあかし」を交えて事例紹介できればと思います。

◆コロナの影響で中止になった展示会~~そこで生まれた思い切った発想。

弊社がクラレ様のマーケティングのサポートを始めて半年になります。

メールを活用したコミュニケーション設計は着実に浸透し、徐々に各自が戦略をもってハウスリスト(名刺)から、リードを生み出す…と言う流れを構築していました。
そんな折、同社では「ハウスリスト及び商談の拡充」を目指して展示会への出展、そのリストに対するアプローチを検討~構築していたのですが、

この展示会がコロナの影響により、中止になる事がイベント開催の数カ月前に決定。

「さて、どうしよう?」となるこの局面。

ここで、弊社から思い切った提案をさせて頂きました。それがクラレ様の自社開催による「オンライン展示会」でした。

この提案には、ハッキリ「勝算」がありました。

その理由は2つ。

まず1つめ。「展示会をオンラインで行う」などと言う、ある意味「突拍子もない提案」は、平常時は、なかなか通りません。理由はシンプルで「展示会でただでさえ忙しい」とか「効果が疑問」とか……意識の壁ですね。

しかし、この状況なら違います。

もう1つは「みんな行動が制限されているが、情報は欲しいはず」と言う、物理的な事情。

つまり、これは「いまだから、価値が最大化する取組み」だと思っていました。
そして、コスト面で考えてもこの施策は優位です。

なぜなら、

1)もともと展示会における販促物のデザインは進んでおり(つまり情報資産がある)
2)小間代やコンパニオン代、印刷代金などを考慮すれば使っていない予算が大量にある

本来、これらは、このままだと「無駄になる仕事」です。

だからこそ、これを最大限利用しようと。

徐々にBtoBのスキームを組んでいたという、当時の同社のタイミングもあって「よし、やってみよう!」とプロジェクトチームが発足。早速、SFAとMAをフル活用した「自社企画」がスタートしました。

企画にあたっては、同社の経営企画室・マーケティングチームが中心となり、各セクションの情報を取りまとめ、ハウスリストも共有。

これまでにない大きな「見せ方」をしようと「事業部ごとに見せるのではなく、お客様の立場に立ってニーズ軸で見せてみよう」という各種の工夫を盛り込みました。

また、数値計測や、ユーザービリティもしっかりと準備し、お客様を「パイプライン」で管理する設計も構築。

こうして、お客様の「課題(お困りごと)」からスタートするオンラインの展示案。
つまり、「クラレ独自のオンライン展示会」が開催されたのです。

◆大きな反響と、これまでにない種別のリード

さて、その結果は、かつてなく素晴らしいものとなりました。

まず、直接的な成果。

通常開催された過去の展示会の平均値と比較して数倍にも及ぶお問合せを獲得。
無論、開催期間中のスタッフ稼働は「無い」にもかかわらずです。

また、ダウンロードされた資料の総数は7,000件以上におよび、潤沢な「見込みリスト」が構築されることとなりました。

しかも、その中には「これまでにない種別」の新しいリードも存在していました。
それが「他の事業部のハウスリスト」から生まれた「クロスセル」の概念。

今回、同社展示会の内部における

1)見せ方を大きく工夫したことで、

各事業部で「サイロ化」されていたハウスリストの垣根が外れ、

2)お客様のユーザーマインドに基づいた訴求をしたことで、

「クラレ全体として、プレゼンテーションをしてほしい」と言ったような、名だたる企業からの大口の問い合わせが、いくつも生まれたのです。

また、MA(マーケティング・オートメーションツール)を有効的に設計・活用したことによりお客様から、「すごい! 面白い取り組みをしていますね!」や「そういえば、相談に乗ってほしいことが……」と、副次的な問い合わせも発生しています。

そして、気になるコストについてもなんと、通常の展示会の10分の一以下に収まってしまいました。 そう、たった1つのデジタル施策が数値的にも、数字にならない部分でも「とてつもない投資対効果」をもたらしたのです。

同社が「オンライン展示会」を今後も続けていく事は、間違いないでしょう。

◆大きな反響が社内の興味を生み、更なるステージへ

さて、こうなってくると、同社で、これまで静観していた他の部署も黙ってはいません。

「なんだか、面白いことをやっているぞ!」と、次々にマーケティングチームにデジタルに関する相談が舞い込む事態に。

結果、同社は7月には、100名規模の「マーケティング勉強会」を開催し、更なるデジタルシフトを進めていくことを決定。クラレ様の中に大きな「デジタル化」の流れが生まれ始めました。

そう。これこそが弊社の目指す「マーケティングの文化形成」です。

小さな波紋と、小さな成功を重ね、やがて大きく波及していく。
数字のとれる喜び。課題の解決する喜び。そういったものが折り重なって、チャレンジはさらに進みます。

実際に同社ではMAの設計~運用ができるマーケターが1人、2人と育ち始めています。

マーケターの育成に必要なのは座学ではありません。
実戦経験と、ほんの少しの成功体験。シンプルにそれだけです。

それこそが「マーケってすごい! 面白い!」と言う情熱を持つ、次世代のマーケターを生み出すのです。

コロナ禍と言う逆境だからこそ生まれた「オンライン展示会」。
同社では、その効果や獲得したリードの再活用など「次のステージへの一歩」が動き始めています。

――あなたの会社に、マーケティングの道筋を。

引き続き、これからのクラレ様の更なる飛躍をお手伝いしていきたいと思います。

▼追記
2022年 最新の「クラレ様 常設オンライン展示会」の事例がございます。
https://marketersbrain.co.jp/usecase/kuraray_car/

本件につきましてi-common様にてクラレ様のインタビュー掲載がされております。
https://i-common.jp/casestudy/kuraray/