なぜ、その"成功に見えるもの"は「持続しない」のか
たとえば、ある企業がマーケティングを成立させた瞬間、そこには確かに競争力の源泉となる「差別化の価値」が存在し、それらは“成功体験”として蓄積されていきます。過去の実績、受賞歴、輝かしい成果の数々――。しかし数年後、それらを振り返ったときに、ある事実に気づくことがある。その成功体験が「現在」に結びついていない。あるいは、未来へ派生していかない。むしろ、特定の“輪”の中を周回し、同じ軌道をぐるぐる回っているように見えることすらある。さて、ここで一つお伺いします。成長のプロセスに見えたはずの“その成功”は、なぜ相乗効果を生み出さなかったのでしょうか。私自身、この問いに向き合う中で、ブランディングにおける“Doing”と“Being”の差分に、この問題の核心があるのではないかと考えるようになりました。